初稿:2004年10月16日 更新:2018年5月30日(リンクチェック、章立て)
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سحر Sehr(セヘル:夜明け前食事)と افطار Iftar(イフタール:日没後の食事)
http://ktc-johnny.com/2004-10-23-iftar.html
ラマザーン中の、断食の仕組みについて詳しく書いたものです。本項と内容は重なる部分多いです。
عید کارڈ Eīd Card(イード祝いカード)
http://ktc-johnny.com/2004-11-12-eidcard.html
کهجور Khajūr カジュール(なつめやし、デーツ、Dates)
http://ktc-johnny.com/dates.html
پکوڑا PAKORA パコーラー(べサン粉(豆の粉)を使ったパキスタン・インドの野菜てんぷら)
http://ktc-johnny.com/pakola.html
月の出・月の入り・こよみ
Keisan 高精度計算サイト
https://keisan.casio.jp/exec/system/1253955579
世界各地の月の出・月の入り時刻を調べることができます。
こよみのページ イスラム暦・西暦変換
http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/sub/islamic.htm
ラマザーン中の1日
イスラーム暦では1日のはじまりは「日没」からです。
実際の月を天測してラマザーンの開始が決められるので、地域によって始まりの日に違いがあります。このラマザーン(イスラーム第9の月:断食月)はこんな風に過ごしています。
イスラーム暦1425年(西暦2004年)のラマザーン(ラマダーン:第9の月=断食月)は、パキスタンの多くの都市では10月16日(土)~11月14日(日)の予定で始まりました。
↑イスラームの人々にとって、純粋な日の出・日没の時間ではなく、新聞などに掲載される「セヘル(断食前の食事時間)」と「イフタール(断食終了の時間)」が重要な目安になっています。
仮にこうした時間を正確に知らなくても、ちゃんとマスジッド(モスク=イスラーム寺院)からアザーン(祈りのよびかけ)が流れてくるので大丈夫。
日の出前
各家庭で、食事をとります。このときの食事は「ナーシュター(朝食)」と呼ばず「セヘリー」と呼んでいます。(夜明け前という意味の言葉です)
食事後、「私はイスラームの教えに従い、断食をします」という意思表示をします。これを「ニーヤト」といいます。このニーヤトは、特別な儀式はなく、心の中で祈るということです。「ニーヤト」とは「意思表示」という意味の言葉です。
日の出~日没前
礼拝を知らせるアザーンが流れると断食の開始です。
厳密には「いかなる食べ物・飲み物ものどを通ってはならない」ということですので、つばがたまれば飲み込まず吐き出す光景をこの時期結構見ることがあります。
病人や妊婦、子どもや長距離旅行者は断食(ローザといいます)をしなくてよいとされています。うちの活動先の障害者職業訓練センターでも普通に食事をとる生徒もいます。
今年は大体午前5時すぎ~午後5時半が断食ということになりますが、その日その日の時間は変動するので、新聞の折込やマーケットなどでその時間の書かれたカレンダーなどが無料で配られていたりします。
今年のラマザーン中の日の出の時間は午前6時前後だが、その前午前5時ごろのセヘルの時間からが実質の断食スタートになる。
街中の大衆食堂はこの時期営業をやめているところが結構あります。そこで働いていた人たちは、ラマザーンの間は近くの食堂や臨時に出る出店でイフターリー(断食明けの食事)用のサモサやパコーラー(野菜てんぷらの一種)をつくる臨時の仕事をしていたりします。
旅行者の方はご心配なく。ホテルなどでは普通に食事を取ることができます。ファーストフードや大きなレストランでは日中も営業していますし。
もう昼過ぎあたりから、イフターリー用のサモサやパコーラーをあちらこちらで出店を出して売っていて、それを買う人たちで混み合ったりしています。また各家庭でもイフターリー用&夕食の準備に追われたりしています。
日没30分前になるとあちこちの道で帰り道を急ぐ車で混み合っています。
はやく家に帰りたいために、いつもより飛ばし気味かな? >> 車
結構事故も起こりやすいので、この時間帯の交通安全には気をつけたほうがいいですね。
日没直前になると、街の人通りはほとんど途絶えてしまいます。店も30分~1時間ほどシャッターをおろしてしまうところも多いです。
日没後
静まり返った街のあちこちからアザーンが流れてきます。
断食明けのことを「イフタール」といい、そのときに食べる食事を「イフターリー」といいます。
日中の12時間、飲まず食わずで過ごしていたのでこのイフターリーではいきなりカレーを食べるということはあまりありません。
先ほど紹介したサモサやパコーラーなどの揚げ物やカジュール(なつめやし)、チャートとよばれるフルーツや野菜のサラダなど、軽食的な食事をとります。
そのあとは、このままきっちり夕食をとってしまったり、街へ繰り出してレストランで食事をしたり、いろいろです。
そして、街は一気に活気づき、若者や家族連れが街中をそぞろ歩き、ショッピングや食事を楽しむ・・・ということになります。
この客をあてこんで、「イフタール用特別プラン!」とかって銘打ったレストランの広告が街のあちこちに出ていたりします。
ま、ラマザーン中はこの夕食がとんでもなくボリュームがあったりします。
だから、この時期太っちゃうパキスタン人も結構いたりします。
そして、このラマザーン最終日の日没(つまり第9の月が終わり、第10の月の始まり・・・日没がイスラーム暦の1日の始まりなので)後から「イード(Eid)」と呼ばれるお祭りがはじまるのです。
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