Milestone ILC マイルストーン訪問記(5) : 2004年11月

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2012年8月17日(金)追記

2004年11月のセミナーで斎藤さんたち日本の電動車いす技術者と初めて出会ったHabib ur Rahman ハビブさんが、パキスタンで車いすを製造販売する会社を立ち上げました。

Sakura
http://www.sakura-pk.com/
Address: 45-A out fall road lahore, Pakistan
Email: sakura-pk@live.com
Phone: +92301-8466772, +924232104793, +441785804793,+819016991808


2004年11月20日(土)~11月21日(日) マイルストーン事務所での精力的な活動

土曜日・日曜日の2日間、マイルストーンの事務所にて日本のお客様を中心に2つの活動が繰り広げられました。

ピア・カウンセリング: Peer(対等の) Counseling(カウンセリング)という意味で、(当事者同士が)問題を共有しあい、対等な仲間として助け合うカウンセリングのことです。

現在、マイルストーンメンバーのなかに筋ジストロフィーや筋萎縮症などの筋疾患のあるメンバーがいます。
今回、海老原さんがお出でになったことから、筋疾患の障害のあるメンバーとカウンセリングプログラムを行うことになりました。
ピアカウンセリングについて (語句説明:気になるカタカナ、樋口恵子)
筋疾患について (分類と説明:筋疾患ネット)

ピアカウンセリングに参加したメンバー

海老原さんはファシリテータ(司会進行・助言者)として、自身の障害についてやいままでの生い立ち、参加者からの質問に答えるなどしていました。
今回の参加者は、筋肉そのものの障害である筋ジストロフィーの障害のある方と、神経の障害に由来するSMAなどの筋萎縮症のある方といろいろでしたが、お互いの悩み・考え・疑問を共有しあうことでずいぶんとためになったようでした。
また、参加者の関心を惹いたのは、海老原さんが機内や夜間使うために持ってきた呼吸器や血液の酸素飽和度を測る機器の実演や試用でした。
パキスタンには公的な保険制度はないために、こうした呼吸を補助するための機器を自費で購入しなければならず、ほとんどの場合こうした高額な機器を買うことができません。そのために病状の進行した方は十分な呼吸をすることが困難でありとても大きな問題であります。

人工呼吸器の試用

↑海老原さんが日本から持ってきた呼吸器を体験装着する

海老原さんも長旅の疲れからか、呼吸が苦しそうに伺える場面がありましたが、精力的に参加者の声に耳を傾け一緒に問題を共有しようと努められていました。

電動車いすの修理と現地スタッフの指導今回、斎藤さん、岡田さんがお見えになるまでに日本から数多くの電動車いすが贈られました。しかし、充電の仕方を間違えたりするなど適切ではない使い方が原因で動かなくなっていたり、動きが不調な車いすが何台もありました。

現地スタッフと総出で修理にとりかかる

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↑現地スタッフと総出で修理にとりかかっている

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↑斎藤さんからレクチャーを受けるハビブさんたち

ひとつひとつの問題について、現地スタッフ(マイルストーンメンバー)とどういう原因で故障しているのか確認しあいながら作業は進められていきました。
なかでも、現地スタッフのハビブさんは理系専攻であったということもあり、斎藤さん・岡田さんの説明をのみこむのがとても早く、お二方ともその吸収力にはびっくりされていました。

斉藤さんの話を聞くハビブさん(中央)

↑真剣な面持ちで取り組むハビブさん(中央)

彼は、マイルストーンが作っている手動の車いす製作にも携わっており、電動車いすの修理の実際だけでなく、手動車いすのデザインなどにもとても興味を示していました。

修理に取り組むハビブさん

↑修理に取り組むハビブさん

「彼なら日本に来て研修をすれば、もっと効果的に技術を習得することができるにちがいない」斎藤さん・岡田さんたちの共通した感想です。
チャンスがあれば、彼は日本で研修を積むことができるかもしれない・・・そんな発見もあった今回の取り組みでした。
スタッフが朝から晩まで熱心に取り組んだおかげで、すべての車いすが稼動できる状態になりました。
今後も100%稼動できるように継続的な研修の場が望まれるところです。

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初版&最終更新日 2004年11月25日