ktc-johnny.com > パキスタンの障害者支援 > ラホール訪問記(2004年7月:前編) > ラホール訪問記(後編)
2004年7月22日(木):はれ
イスラマバード~(高速バス)~ラホール着~マイルストーン(NGO)事務所へ
AM07:30 イスラマバード・カラチカンパニー発ラホール行きの高速バスで向かいました。
←左が日本の中古バス。右はDAEWOOバス。
暑い1日を予感させる朝でしたが、今回の高速バスの空調はよく効いていたので快適にラホールまで行けました。
ラホール・バクラーマンディ(Bakramandi)のバス停からは、リキシャーでマイルストーンの事務所に向かいました。
PM00:30 マイルストーン(障害者NGO)の事務所に到着。
ちょうど、ファイル整理などの作業をメンバーの人たちが しているところでした。
そして、こんな作業も・・・・
←点字シートを作って・・・
シャムサさん(写真手前)は視力がほとんどありません。その彼女の発案で視覚障害者用の点字マップを作ろうと しているところでした。
介助スタッフの人に地名を読み上げてもらって、それをニードルを使い1字1字打刻していきます。
その点字シートを地名の単語ごとに切り取って、マップの上に貼り付けていくのです。 さらに、こんな工夫もしていました。
オレンジ色をしたものは、豆の一種です。
豆をマップに貼り付けて、触覚で地理上の違いを表現しようとしているのでした。 ←そして、こんな形でマップは完成しました。
お金や資材が十分ない中で、うまく工夫して作っているなぁ・・・と感じたのでした。
また、最近ではマイルストーンの事務所に何人もの協力隊員が訪れています。
協力隊員による日本語教室の様子(毎日のように開かれています)。
この日は、なお(15-1:家政)が14:00過ぎから日本語を教えていました。
マイルストーンのメンバーは一生懸命ノートに書き取って日本語を勉強していました。
1時間ほどで授業は終わったのですが、メンバーが次々に質問していて、彼女が家路についたのが19:00前。
マイルストーンのメンバーは彼女たちの日本語教室を楽しみにしていて、とても感謝しているとのことでした。
上達した人は、五十音を全部覚えていて、ひらがなで書けば流暢に読み上げることができるのでびっくりです。
さて、今回の私の訪問の目的の1つが先日日本から帰ってきたばかりのアクマルさんにインタビューをすることでした。
アクマルさんは、ダスキンが協賛するアジア・太平洋地区の障害者リーダー育成事業で日本に渡り、10ヶ月間日本の各地で「自立生活」についての研修を受けてきました。
アクマルさん。背がとっても高い(185cm超)方です。おもろい人でっせ。
このインタビュー記事は、次号のパキスタンスペシャルに掲載される予定ですが、大要、彼はこのように語りました。
——————————————
私は10ヶ月間、いろいろな経験をしてきました。
日本に来る前は、1回も1人で食べたことがなかった。(註:それまでは食事はいつもみんなで食べていた)
日本に来て、はじめて1人で食べた。
1人で生活をしました。
日本に来る前は、(1人で生活することが)できないと思っていたが、できてびっくりしています。
研修のなかで1番いい経験はスキー(を滑ったこと)。
パキスタンで、障害者がスキーをするなんて(考えられない)・・・・・。
でも、日本ではスキーをすべることができて本当によかった。
パキスタンで1番大切なことは自立生活運動。 いろいろなところに行って私は勉強しました。
日本の人はとても優しいので、今、私が日本語でコミュニケーションできるのは、日本語の先生やメインストリーム (日本の自立生活運動団体)の人たちが教えてくれたおかげです。
いろいろお世話になりました。 また、これからもよろしくお願いします。
大変なことが(私たちに)あったら、教えてください。
——————————————
↑
これを彼は日本語で話をしました!10ヶ月ほどの研修で、これだけ上手にしゃべれるなんてびっくりですよ!
インタビューは2時間ほど、それも時間を忘れて彼の話を聞いているといった感じでした。
PM09:00 最後のメンバーが家路について、この日の活動は終わりました。
私は、マイルストーンさんのご好意で事務所に泊めていただくことができました。
食事をした後は、ぷらぷら近くのマーケットを散策したり・・・・。
イスラマバードより暑いなぁと感じる夜でしたが、いつの間にか眠っていたのでした。 (後編につづく)
初版&最終更新日 2004年07月25日