初稿:2003年7月20日 更新:2018年5月31日(改題、再構成、関連情報紹介)
協力隊活動報告書
協力隊員は、
訓練中: 1回(活動はまだなので、要請の内容と抱負などを書く。ゼロ号と呼ばれている)
派遣中: 5回(1号~5号)
の報告書の提出が義務付けられています。
報告書には、計画した活動について成功、失敗の分析、活動上の悩み、人によれば協力隊事業の在り方(批判含め)の提言まで、ストレートに綴られています。
応募したい職種、行きたい国の実際の生活を年代・地域を総攬する広い母集団から検索、閲覧でき具体的な活動イメージを掴むことができる
ブログやSNSの内容から受ける印象とは違った、よりリアルな活動の様子がつかめる
など、活用できる利点は多いと思います。
派遣中提出する活動報告書について、公開されています。
よくある質問 | JICAボランティア(2018年5月閲覧)
https://www.jica.go.jp/volunteer/outline/qa/
2018年5月現在、東京・JICA市ヶ谷ビル内のJICA図書館で、専用端末での閲覧(無料)、コピー(A4・10円)利用が可能となっています(以前は複写郵送・PDF送付サービスがあったが現在はなし)。
JICA図書館へのアクセスが難しい場合、活動報告書をウェブ公開している隊員、OVの方がいますのでご参考になさってみてください。
Google検索結果 | 青年海外協力隊 活動報告書
https://www.google.co.jp/search?q=%E9%9D%92%E5%B9%B4%E6%B5%B7%E5%A4%96%E5%8D%94%E5%8A%9B%E9%9A%8A+%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8
ゼロ号報告書(2003年6月)
以下は、
JICAから提供された要請内容と活動への抱負についてまとめ、
訓練中に提出した「ゼロ号報告書(2003年06月提出)」
の記録です。
配属先の機構および事業内容
職種:養護(註:2018年現在は「障害児・者支援」)
区分:新規
配属先:国立障害者職業訓練センター(National Training Centre for Special Persons 略称:NTCSP)
配属省庁名:特別教育省 (Ministry of Women Development Social Walfare and Special Education)
勤務先住所:イスラマバード
事業内容および予算: 1986年に設立。知的・身体・視覚および聴覚障害者を対象にコンピュータ、手芸、編み物、ラジオ&テレビ、竹工芸、電気、溶接など11のコースを開設。
全生徒数 130名、 教師7名、
年間予算55万円。
要請理由
技術講師にたいして、障害を持つ生徒への指導の仕方、カリキュラムへの助言、父兄への指導を行うことで、より効果的な訓練が可能であると考えられ、隊員要請となった。
隊員の地位
講師(Senior Teacher)
期待される業務内容について
・技術講師および、センタースタッフに対し、生徒の指導の仕方およびカリキュラムへの助言を行う。
・父兄への相談指導、カウンセリング、助言およびPTAとの連携 ・同僚講師とともに、年中行事の企画を行う。
・教材・教具の整備、アイディア、発想の支援 ・職業訓練後の社会復帰への助言も期待されている。
隊員が利用・または取り扱う機材
特になし
現地のスタッフ
校長(特別教育修士) 技術講師7名(ディプロマ)
指導対象者の技術レベル
講師および障害をもつ生徒(15~25歳)
訓練すべき言語
ウルドゥ語
外国の援助状況
協力隊(1995~98、98~01:竹工芸、 1995~97:家政 2003~:木工)
受け入れ条件
実務経験2年ほど
赴任前の抱負
新規派遣であるが、他職種での派遣受入れ開始から8年が経過し、また、前隊次の14年3次隊で先輩隊員(木工)が派遣されており、協力隊への一定の理解がなされていると考えられる。無理解の中での活動というのは考えにくい。
ただ現地の状況は常に変化しているものと思われるので、 まずは任務先の状況把握に時間をかけようと考えている。
状況に応じて、何をすべきかを優先順位とからめながら、うまく整理したいと思う。 イスラム教にもとづく社会システムの中で生活するということは、日本とは異なる生活習慣や規範が存在することを肌身に感じなくてはならないということだと思う。
駒ヶ根での派遣前訓練のなかで、任国事情でのJICA関係者・OV隊員による講話や資料により相当な量の任国情報を得ているが、実際に自分の目で見、肌身で感じ取るなかで、そうした情報をうまく整理し、自身の活動に資するものにしていきたい。
「自分の目でよく見る」という姿勢を大事にするなかで、自分の主張・考えを伝えていく努力を続けていきたい。
現地の方々の生き方を尊重することを忘れないで、日々謙虚に物事に当たりたいと思う。
任期の間で、取り組みたい活動
・ウルドゥ語の識字教育
・障害者教育についてのウルドゥ語マニュアル(リーフレットの作成
・重度重複障害者への、何らかの支援(訪問・巡回教育)
活動を充実したものにするために自分に課すこと
1 語学(ウルドゥ語・英語)の能力向上のための学習
2 活動の記録を毎日つけること。
3 活動を毎月ごとにまとめ、関係機関に報告・アピールすること。