初稿:2006年3月14日 最終更新:2018年6月17日(再構成、写真追加)
目次 | Table of Contents
ラホールのバサントの模様を収めた動画
Youtube : Basant Festival in Pakistan
かつてのラホールで行われていたバサントの様子がおさめられています。
ヌール・カーンさんのバサント解説
ヌール・カーン(Noor Khan:ニックネーム)さんは、ラホールで活動した協力隊の先輩隊員です。
そのウェブサイトは面白いコンテンツがいっぱいあるのですが、
From Lahore Pakistan | バサント紹介
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/2612/basant.html
で、بسنت Basant バサント(凧揚げ祭り)を次のように紹介しています。
バサントとは春を祝う、凧揚げ祭りのこと。 凧はヒンディー・ウルドゥー語で پتنگ Patang パタング(バッタの意味もあり) パタンガーは蛾を意味し、名前の由来である可能性あり。 凧はポルトガル人によって伝えられたものであり、この歴史は、インドネシアや日本の凧のそれと一致する。
時期:2月中旬
開催場所:ラホールを中心に、パンジャーブ州(インドも含む)内で盛んに行われる。ラホール内では、下記の地域が盛ん
ゴワールマンディー アナールカリ ラクシュミチョーク
キッサンストリート サーキュラーロードまた、レースコースなどでコンサート・屋台・各種催し物を含む、大きな春祭りが行われる。
ラホールのバサントには、大げさだが世界中から観光客が集まるといわれている。もちろん地方から見に来る人も多く、ホテルは予約でいっぱい。皆、家の屋上に登り、夜空をライトアップして一晩中凧揚げに狂う。クラクションに、ターザンの雄叫び、嘆きの叫び、悲鳴、ラジカセからの大音量音楽、電線がショートするバン!という音が鳴り響く。女性達はバーベキューなどして、お祭り気分。
毎年、議論されることだが、バサントはヒンドゥーの祭りだという指摘がある。ヒンドゥー教がパンジャーブ文化と融合した結果、イスラム教が広がった後も、バサントは文化として生き残った。
From Lahore Pakistan | バサント紹介
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/2612/basant.html
例年多くの死傷者を出していたバサント
例年このバサント(凧揚げ)期間中に多くの方が亡くなったり怪我をしていました。
X51.ORG | 新春凧揚げ大会で17人死亡、600人が怪我(2005年2月7日)
http://x51.org/x/05/02/0757.php
X51.ORG | 新春凧揚げ大会で7人死亡、100人が怪我(2004年2月16日)
http://x51.org/x/05/02/0757.php
凧揚げ期間中のラホールの街は歩くだけでも気をつけないといけない・・・ってラホールで活動していた隊員さんはよく言っていました。
バサントは「ケンカ凧」競技なところもあって、相手の凧を落とすためにガラス片が混ざっている糸やら金属ワイヤなんて使っていたりして、その残骸が電線から垂れ下がったり道端に引っかかっていたりします。
それに感電したり、バイクで走行中からんだ糸(ワイヤ)に首を切られる、凧揚げに興じるあまり、転落するなどで死者や怪我人が半端ない数に上っていた実態がありました。
また、凧揚げが金持ち趣味のイベントになってしまったという批判、もあり、禁止令が発令・継続しています。
パキスタンでは凧揚げ禁止令が発令中
Wikipedia(EN) : Basant Kite Festival (Punjab)
https://en.wikipedia.org/wiki/Basant_Kite_Festival_(Punjab)
↑Wikipediaによると、パキスタンでの凧揚げ禁止令は、2017年のバサント時期に一時的に解除されたが、継続中であると記されています。
SankeiBiz | 禁止でも消えぬ春の風物詩 パキスタンのたこ揚げ「バサント」(2016年5月3日)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/160503/mcb1605030500012-n1.htm
Record China | 日本では正月の風物詩、パキスタンでは禁止、週末の摘発で107人逮捕―中国メディア(2017年2月15日)
http://www.recordchina.co.jp/b163884-s0-c30.html
イスラマバードの凧屋さん(2004年2月)
協力隊活動中にイスラマバード市内の凧屋さんに行ったことがありました。
この時は、先輩隊員さんと一緒に行ったのですが、凧屋さん目当てで行ったか、通りすがりにこの凧屋さんを見つけたか、記憶が定かではありません。
おじいちゃん職人さんと、息子さん?お孫さん?のお弟子さんと2人でお店にいらっしゃいました。
自分たちで凧を作って売る、工房兼お店でした。
デザインはいたってシンプル。
ハッキリしたカラーリングで、遠目でも自分の存在がアピールできるイメージでした。
2004年当時はバサントが禁止になっていなかったので、撮影した2月は1年で一番需要のある書き入れ時。
それに向けてストックをたくさん持っていた時期だったのでしょう、天井から吊るされたもの、テーブルに積まれたものが半端ない数になっていました。
コメント
3/10Dawn紙の記事によるとパンジャブ州全域で凧揚げが禁止されたようです。もちろんバサントのフェスティバル自体は行われるのでしょうが…
"LAHORE, March 9: The Punjab government on Thursday night banned kiteflying throughout the province after a number of killings and injuries caused by coated string and metal wire during the last couple of weeks and increasing calls from different quarters to stop the sport.
"
あーそーなんですね。>凧揚げ禁止
1月下旬から10日ほどパキスタンに行ったときもラホールでもイスラマバードでも凧揚げしている様子見なかったよなぁ、って思い出しました。
でもそれだと凧屋さんが商売上がったりですね。
昨年秋にデリーに行ったとき、チャンドニーチョークからちょい裏手のところで凧屋さんを見かけました。パキスタンで見るのと同じような凧も見かけましたね……..