うちのクラスの生徒です(4) – ファヤーズ君(アフガニスタン出身)

初稿:2005年3月5日 更新:2018年5月26日(写真チェック)

私の住んでいるイスラマバードは北西辺境州やアフガニスタンに近く、その地域を故郷とするパシュトゥー人が多く住んでいる地域でもあります。

彼、ファイヤーズ君は、昨年夏にうちのクラスにやってきた子で、出身はアフガニスタンだということでした。

初めの頃は言葉のオウム返しや人と目線を合わせないなど、どこか自閉的な雰囲気を持っていたのですが、いつの頃からでしょう、周りの人に対してちょっかいをかけてきたり「この人はだれ?」と聞いてきたり人とのかかわりを持つことをとても楽しむようになってきました。

彼は細かい仕事に黙々と取り組むことが上手です。

なかでも彼が集中して取り組んでいるのが毛糸でマットを編むこと。

毛糸でマットを作っています。

毛糸でマットを作っています。

マットを作っているところ。

マットを作っているところ。

できあがったマット。

できあがったマット。

これくらいの大きさは1日で作ります。

うちのクラスの中で一番上手にマットをつくることができる彼は、初めの頃は私がバザールで買ってきた安い毛糸を使って編んでいましたが、最近は自宅からいい材質の毛糸を持ってきて編むようになっています。

彼は非常に好奇心が旺盛でしかも器用な子なので、いろいろな仕事を手伝ってもらっています。

釘を打ってもらっています。

釘を打ってもらっています。

↑壁に釘を打っているところ。釘は壁用の小さいやつですが、上手に打つことができました。もっといろいろな経験ができればいいなぁと思っています。

彼のお父さんは国連機関に勤めていて今は中東方面で仕事をしているのだそうです。そのお父さんが休暇中にパキスタンに戻ってきて何度か学校に様子を見に来てくださいました。

ファイヤース君とお父さん

ファイヤース君とお父さん

お父さんは息子のファイヤーズ君がいろいろなことを上手にしかも熱心に取り組んでいることにずいぶんと感じ入ったようで、「いつも息子を教えてくれてどうもありがとう」とお礼までおっしゃってくださいました。

「そうだ、今度私の家に来てくださいよ、ごちそうするから」と言われ、「それは申し訳ないですよ」と丁重にお断りしていると、「よし、そしたら学校にごはんをもってきますよ!」とおっしゃってくださいました。

そしてそれから2日後・・・・・・

持ってきてくださったごはん

持ってきてくださったごはん

↑本当にごはんを持ってきてくださいました。しかも軽く20人30人分はあるんですもん。本当にびっくりしてしまいました。

アフガン・プラーオー(アフガニスタン風たきこみごはん)

アフガン・プラーオー(アフガニスタン風たきこみごはん)

↑これはアフガン・プラーオー(またはカブーリー・プラーオー)というアフガニスタン料理でも基本のたきこみごはんです。シナモンやクミンなどわずかな香辛料でたきあげたごはんに、にんじんとレーズンを甘く煮たものがかけられています。

これはめちゃくちゃ美味しいです!
ぜったい日本人の味覚にマッチするなぁ
と思いました。
またこのほかには鳥の丸焼き(サッジー)や肉カレーなどこれでもかというボリュームの料理を持ってきてくださったのでした。

ですから、おかげでうちのクラスだけでなく他のクラスにも料理をおすそ分けし、みんなで美味しくいただいたのでした。

ごはんをいただく子どもたち

ごはんをいただく子どもたち

ときどき家族や親戚と遊びにいったときの写真を見せてくれるのですが、そういうのを見せてもらうと彼が家族や親戚たちから愛され大切にされていることを改めて実感するのでした。
この幸せがいつまでも彼を包みますように。


2005年3月5日追記:

ちょうどこの日、月の第1土曜日で学校が休みだったこともあり、彼の家にお邪魔させていただきました。
彼が住んでいるのは外国人などハイソな人が住むイスラマバードでも超がつく高級高層アパート。
何人かの隊員さんとご一緒にお邪魔させていただいたのですが、日ごろ見るパキスタンとは違う景色がそこには広がっていて圧倒されてしまいました。

一緒に来ていただいた隊員さんとお話しするファイヤーズ君

一緒に来ていただいた隊員さんとお話しするファイヤーズ君

↑ファイヤーズ君は「この人は誰ですか?」を連発して一緒に来ていただいた隊員さんに興味津々のご様子。

おかあさんともゆっくりお話させていただくことができ、とても素敵な時間が流れていました。
なんでもお母さんの9人のお子さんはそのうち4人がロンドンに2人がスウェーデンにそしてファイヤーズ君を含む3人がイスラマバードに住んでいるとのことでした。

で、ファイヤーズ君自身も、ウルドゥ語のほか、ペルシャ語(アフガニスタンの公用語ダーリ語は書き言葉がペルシャ語に相似とのこと)、アラビア語を理解しています。
・・・いや~、あなたすごすぎ。

で、学校から帰ってきた彼のお兄さんはさらに英語がペラペラでおまけにパシュトゥー語を理解しています。・・・え、5ヶ国語が分かるの!すごすぎ。
彼の弟くんも英語を普通に話すしねぇ。う~ん。

彼の兄弟とお母さん

彼の兄弟とお母さん

↑彼の兄弟とお母さんです。

で、さらに感激したのはお母さんの手料理。「遊びにおいでよ」といわれたときから期待はしていたのですが(笑)、その期待をはるかに超える凄い料理がならんでいました。

むちゃくちゃおいしかったカブーリプラーオー(アフガニスタン風たきこみごはん)

むちゃくちゃおいしかったカブーリプラーオー(アフガニスタン風たきこみごはん)

↑今日もたんまり作ってくださったカブーリプラーオー(アフガニスタン風たきこみごはん)。・・・うますぎます。まじで。しかもこの前よりもさらにかかっているレーズンやらにんじんの煮つけが多いし。

このほかにチキンフライやサラダなどなど家庭料理ではありえないくらいの美味しい料理をいただきました。

自分の皿に取り分けてみました。

自分の皿に取り分けてみました。

食事をしていると彼らのお友だちの南アフリカから来られている女性が来られてご一緒に食事させていただきました。

まったくネイティブな英語をお話になるので私などは圧倒されっぱなしでしたが、ごいっしょに来ていただいた隊員さんは流暢に話しなさっているのでまたさらに圧倒されてしまいました(笑)。

絶対日本では経験できないことが今日もまたひとつ経験できたなぁ・・そんな一日でした。

コメント

  1. NoorJehanより:

    はじめまして。
    いいですね。息子がお世話になっているから、ぜひともご馳走したい、という感謝の気持ちを一生懸命伝えようとしているのが分かります。
    しかしアフガン・プラーオーおいしそ~~う。
    アフガニスタンはシンプルな味付けが多いんですね

  2. johnny@ktc15-1より:

    Noor_Jahanさんはじめまして。そして先日はトラックバックありがとうございました。
    アフガン料理はマサラが控えめで、日本人の味覚にも合う料理が多いと思います。
    で、プラオーは美味しかったです。ホントに。
    ファイヤーズ君は最近結構私にちょっかいや話しかけてくることが多くなりました。
    いい笑顔も出ていますです。