パキスタンの障害者・障害児の現状

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障害者人口比較(日本・パキスタン) | 障害児学校数(パキスタン) | パキスタンの障害児者の現状(メモ)

初版&最終更新日 2005年03月04日


1 障害者人口比較

 パキスタン(公式発表) パキスタン(1999年) 日本(2001年) 
総人口 1億3235万2279人  1億2729万1000人(約) 
障害者人口 329万3155人
 
1305万5000人
(0-18歳児705万人) 
655万9000人
397万5000人(精神障害者除く) 
障害者の割合
(精神障害者除く) 
2.48%
 
10%強
 
5.15%
3.12%(精神障害者除く) 

 パキスタン(公式) パキスタン(1999年) 日本(2001年) 
視覚障害
(Blind,Visually Impaired) 
26万5398人
 
261万1000人
(0-18歳児 141万人) 
聴覚障害
(Deaf,Hearing Impaired) 
24万3683人
 
130万5000人
(0-18歳児 70万5000人) 
351万6000人
(視覚・聴覚・肢体不自由総計) 
肢体不自由
(Crippled,Physically) 
62万5785人 522万3000人
(0-18歳児 282万人) 
精神障害
(Insain,Psychosis) 
21万0854人 —– 258万4000人 
知的障害
(Mentally,Retarded) 
25万0184人 261万1000人
(0-18歳児 141万人) 
45万9000人 
重複障害
(Having more than….) 
27万0451人 130万5000人
(0-18歳児 70万5000人) 
—– 
その他(Others) 142万6800人 —– —– 

註:
障害名の英語表記はパキスタン公式統計に因っている。
その他(Others)の指す障害の種別は不明。
戦負傷者が統計に含まれている(パキスタン)。

  • WHO、世界銀行などの推計(パキスタンにおける障害者の割合)は約10%
  • 概してアジア各国の障害者調査では低レベルの割合が報告される傾向がある。(1986年タイ=0.74%、1980年ネパール=3%台、1987年中国=4.90%)
    →障害を「恥」や「罰」と考え、家族が障害者の存在を隠すことが多いと見られる(パキスタンなど)。

  • パキスタンにおいては、近親結婚が原因と見られる事例が多い。
    → 兄弟・姉妹・親族に複数の同一障害者が存在する。

    <出典>

  • パキスタン(公式発表):特別教育部門(Special Education Wing:社会福祉・女性開発・特別教育省所属)のHPより
  • http://www.pakistan.gov.pk/women-development-division/informationandservices/se-disabled-population-overall.html
    ・・・おそらく、1998年に実施された国勢調査に基づいたデータだと思われる(筆者註)。

  • パキスタン(1999年):National Counsil for Social Welfareの調査データ(1999年7月)を収録したJICAパキスタン事務所発注の調査報告書”Country Profile Study on Persons with Disabilities”(2000)から転載。
    → 国別障害関連情報(2002年3月:JICA企画評価部:PDF文書)

  • 日本:平成16年度障害者白書HPより ←障害者基本法の規定により毎年国会に提出されている。
    http://www.op.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h16hakusho/zenbun/html/zuhyo/fig02_01_02.html


    2 パキスタンの障害児教育諸学校の総数(職業訓練校も含む)

    上段=政府HPによる連邦立の学校数 下段=雑誌パキスタンスペシャル2004年6月号より転載

     人口(比率) 視覚障害 聴覚障害 知的障害 肢体不
    自由 
    重複障害 職業訓練
    校 
    高等専門
    学校 
    合計 
    イスラマバード 80万5235人
    (0.6%) 

    1
    (3) 

    1
    (1) 

    2
    (2) 

    1
    (1) 

    1
    (6) 

    1
    – 

    5
    – 

    12
    (13) 

    パンジャーブ州 7362万
    1290人(55.6%) 

    5
    (45) 

    5
    (33) 

    5
    (18) 

    4
    (16) 

    1
    (23) 

    1
    – 


    – 

    21
    (135) 

    シンド州 3043万
    9893人(23.0%) 

    3
    (9) 

    1
    (12) 

    2
    (10) 

    2
    (5) 

    1
    (23) 

    1
    – 


    10
    (59) 

    北西辺境州 1774万
    3645人(13.4%) 

    2
    (16) 

    2
    (15) 

    2
    (5) 

    2
    (11) 


    (8) 

    1
    – 


    – 

    9
    (55) 

    バロチスタン州 656万
    5885人(5.0%) 


    (4) 

    1
    (2) 

    1
    (2) 

    1
    (4) 


    (1) 

    1
    – 


    – 

    4
    (13) 

    ノーザンエリア
    (ギルギット) 
    —– 


    – 

    1
    (2) 


    – 


    (4) 


    (1) 


    – 


    – 

    1
    (7) 

    アーザード
    カシミール 
    —– 


    – 


    – 


    – 

    1
    (1) 


    – 


    – 


    – 

    1
    (1) 

    合計  

    11
    (77) 

    11
    (65) 

    12
    (37) 

    11
    (42) 

    3
    (62) 

    5
    – 

    5
    – 

    58
    (283) 

    註:
    雑誌パキスタンスペシャル2004年6月号によると、上記の学校にて約2万人の障害児が学んでいると記載されている。
    パキスタン(1999年):National Counsil for Social Welfareの調査データ(1999年7月)を収録したJICAパキスタン事務所発注の調査報告書”Country Profile Study on Persons with Disabilities”(2000)から転載によれば、0-18歳の障害児の数は705万人とされており、それを基に計算すると上記の学校で学ぶ生徒は同年代の障害児の約0.2%ということになる。

    <出典>

  • 上段の連邦立の障害児・者支援学校数・・政府HPより
    http://www.pakistan.gov.pk/women-development-division/informationandservices/se-education-centers.html

  • 下段の総数は雑誌パキスタンスペシャル(Monthly Pakistan Special)2004年6月号(ウルドゥ語版35ページ)

    3 パキスタンの障害児者の現状について(メモ)

    <障害児教育>

  • 低い障害児就学率・・学校に通えるのはスクールバスなどに自力で乗れることができるなど身辺自立が出来ている子どもに限定されがちである。
  • 日本ではマンツーマンが普通の肢体不自由養護学校でも10人以上の子どもを1人の教師が見なければならないなど、十分な教育的ケアが行うことのできない現状。
  • 日本と異なっているのはアテンダント(介助人)がたいていの障害児学校のクラスに配置されている(1クラス1名~2名)。アテンダントは専門的な教育を受けておらず、お茶汲み係やただ教室の見張りをするだけのことが多い。
  • 学校の配置数・・地域によって大きな格差が存在する。イスラマバード、パンジャーブ州(ラホール・ラーワルピンディ)、カラチ、ペシャーワルなどに集中している。バローチスタン州・北西辺境州(地方)・シンド州(地方)・ノーザンエリア・アーザードカシミール(パキスタン実効支配)での学校不足は深刻である。

    <障害者支援>

  • 障害者への財政支援(年金など)制度は皆無に近い。→イスラームのしきたりにのっとり富者が貧者にお金や食べ物を恵む恩恵的なシステムや考えに依存している。
  • 公務員採用において障害者の就職枠が設定(1%→2%)されているが、おもに受付、簡単な事務作業などに限定されており、行政の中枢部分での障害者の参画は話に聞かない。
  • 故ジア=ウル=ハック大統領の子息が障害者であったことから、ハック大統領の在任中(1980年代)は障害者施策が次々に打ち出されていた。しかし、その後は財政危機や景気の低迷などいくつもの要因が重なり政府の障害者への支援はおざなりなものになっている。ただ、近年は幾分景気が上向いていることとインドとの緊張緩和による軍事費の削減、およびポリオ対策への投資分を他の分野へ振り向けられる見通しがあることなど改善のきざしが見られつつある。
  • NGOレベルでの活動は活発で一部では日本などの手法をまねて障害者の自立生活運動に取り組むところも見られる。しかしながら、各団体が独自に活動しているケースが大半で、お互いの活動を相互に連携させて向上させようとする動きはまだまだ弱い。

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