Ms.Neham(ニーハムさん:パキスタンの女性障害者リーダー)

パキスタンの障害者自立生活運動について語るニーハムさん

マイルストーンのメンバーのひとりに、ニーハムさん(Ms.Neham)という女性の方がいます。
笑顔がとってもチャーミングで、英語も堪能、とても聡明な方です。
彼女は進行性の筋ジストロフィーという難病を持っており、今は日本から贈られた電動車椅子を使って移動しています。
筋ジストロフィーという病気は、筋肉組織が次第に萎縮し機能しなくなり、歩行困難や起きることもままならなくなり、最後には心肺機能も働かなくなり死に至ります。

2004年3月に初めてお会いして、みんなをぐいぐいとリードする明るさや行動力に驚いてばかりいました。
でもPTV(国営テレビ)の収録があったころにお会いしたときはとてもしんどそうな表情をしていてとても心配していたのでした。
昨日(2004年8月4日)、お会いしたときはいつものニーハムさんのように見えたのでほっとしたのですが、Y木さんと話すうちに、疲れて話ができなくなってしまう事がありました。

それが気になったので、後でニーハムさんに聞いてみたのでした。

> ニーハムさん。最近体調が悪いようだけど、どうだい?

ええ、実はそうなの。病気からくるいろいろな症状が出て・・・

> しんどかったら、ゆっくり休まないとだめだよ。

うん。でもね。わたしにとって大切なことは、病気に負けず、みんなを励ましていくことなの。そうやることが自分を勇気付けることだと思うの。
以前は「あたし、死んじゃうんだ!」って毎日泣いていたわ。でもね、こういう障害をもらったってことは、神様が与えた役割なんだって思うの。だから、いまは心は落ち着いているわ。
私がもらったお金やモノは、まわりの友だちと分け合っているの。それはとてもとても大切なことなのよ。

政府の財政事情は厳しく、こうした深刻な障害を持つ人々に対してなんらの保障もできていない状態です。
実際、筋ジストロフィーが進行すると、呼吸を楽にするために酸素吸入のためのボンベや吸入機器が必要なのですが、こうしたものは大変高価で使うことが難しい状況です。
死を見つめなければならない宿命を自分が背負っていたらどうだろう・・・彼女の生きる姿勢はイスラームという宗教や性別を超えてとても人間味のあるすばらしいものだと感じています。

–2004年11月28日(日)追記–

2004年11月に日本からのお客様をマイルストーンに招いてセミナー等が開かれました。
その際に、ニーハムさんが日本に行ったときに知り合ったお友だちの海老原宏美さんがはるばる日本から来てくださり、ニーハムさんと再会することができました。

そのときの記録をこちらにアップしています。

–2005年1月18日(火)追記–

2005年1月14日金曜日午前8時、ニーハム( Ms.Neham-Ul-Rehman )さんは永眠されました。
新年に入ってから容態が悪化し、マイルストーンのメンバーの見守る中息を引き取られました。
イスラームのしきたり(24時間以内の埋葬)に則り、1月15日(土)午前7時に、マイルストーン事務所(Allama-Iqbal-Town)に程近い墓地に埋葬されました。

彼女のあまりに早すぎる死に驚き、深く悲しんでいます。
マイルストーンの仲間、そして彼女のたくさんの友だちも深く悲しんでいます。
しかし、私たちの歩みを決して止めてはならないことも心に刻んでおり、それが彼女の思いでもあったにちがいありません。
少し心を整理するのに時間が必要ですが、これからもみんなで前に前に歩いていきます。

ニーハムさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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