ゴミの問題(イスラマバード)

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Youtube : パキスタン政府が制作した環境美化を訴えるPRビデオです。
歌の中に出てくる、safaayee サファーイーとはウルドゥ語で掃除という意味です。

2010/02/08 閲覧


2005年2月のある日、イスラマバードで養護学校の子どもたちが集まり踊りや歌を披露してプレゼントをもらうイベントが行われました。

会場にはたくさんの子どもと先生が集まり大盛況のイベントになりました。
子どもたちへのプレゼントDAY(ブログ)
http://www.ktc-johnny.com/2005-02-03-happyday.html

さて、下の写真はそのイベントが終わった直後のものです。
何かが床に散らばっています。

では別角度でもうすこし大きな写真を。
床に散らばるスナック菓子の袋など
・・・スナック菓子の袋などですね。

日本では考えられないことですが、パキスタンではこうしたゴミのポイ捨てはまず怒られることがありません。
ゴミを家に持って帰るという習慣はなさそうですし、こうしたゴミをそこらへんに捨てても先生たちは注意するということがありません。
では、こうしたゴミはだれが片付けるのでしょうか?

生徒?
先生?
いいえ、違います。

こうしたゴミは清掃の仕事をする専門の人が片付けるのです。
パキスタンはもともとインドの一部だったこともあり、カースト(身分制度)のならわしが(公式には廃止されていますが)まだまだ根強く残っています。


カーストについて

Wikipedia(JP) : カースト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B….

カーストは歴史の授業で出てくるのではと思います。
ヒンドゥー教圏では、人々は、4つの基本的なカースト(Varna ヴァルナとも呼ばれる)に分けられます。
1 Brahmin ブラフミン : 司祭、祭事を司る。日本ではバラモンと音訳された。
2 Kshatriya クシャトリア : 王、貴族。武力や政治力を司る。
3 Vaishya バイシャ : 平民と訳される。商業・製造業に就くことができる。
4 Shudra シュードラ : 隷属民。人々のいやがる職業にか就けない。ブラフミンには影にさえ触れられない。
——
外 Dalit ダリット : 壊された民。Untouchable アンタッチャブル・不可触賤民と呼ばれる。

ここから派生して2000とも3000とも言われる身分・職業のどれかに属することになります。
違うカーストへの移動は認められません。カーストは親から子へ引き継がれ、結婚も同じカースト同士で行います。
そうしたカーストに属さない人たちがいます。そうした人々は自分たちのことを、Dalit(壊された民)と自称しています。社会の最下層に置かれてさまざまな差別を受け続けてきました。

Wikipedia(JP) : 不可触賤民
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E5%8F%AF%E8%A7%A6%E8%B3…

不可触賤民、Dalit ダリットが就く職業は、
皮革労働者、屠畜業者、貧農、土地を持たない労働者、
街路清掃人、街の手工業者、民俗芸能者、洗濯人
などです。
1950年にインド共和国が成立した際、カースト制度の廃止が宣言されました。しかし、アーリア人がインドに侵入したBC1000ごろから続くこの制度はいまだに根強く残っています。
このカースト制度はヒンドゥーの身分制度であり、イスラームとは無縁であるはずですが、この身分制度は宗教の枠を超えてその土地に代々根付いてきたものなので、イスラーム国家であるはずのパキスタンでも今もその影響は色濃く残っています。特に地方農村においては。


そうした歴史や文化の背景があるので、
掃除をするのは身分の低い人(パキスタンではキリスト教徒)がすることだ、っていう感覚があります。
学校関係で活動する隊員が生徒(ほとんどがイスラム教徒)に掃除をさせようとすると、
“ゴミは掃除人(キリスト教徒など)が片づけるのになんで私たちが掃除をしなければいけないの?”
と不思議がったり、なかなか掃除をしたがらないといった話を聞く事があります。
日本のみなさんには信じられないでしょうが、本当の話です。

ゴミ箱です。
ゴミ箱にはたいてい”PLEASE USE ME(私をお使いください)”と書かれています。

マーケットや公園にはところどころ↑のようなゴミ箱がおいてますが、パキスタンの人には「ゴミはくずかごへ」っていう感覚があるようにあまり感じられません。
パキスタンの人とドライブしたり、道を歩いていても、ゴミはもうそこらへんにぽいって捨ててしまいます。
イスラマバードの道路や通りは、掃除がゆきとどいている(CDA(首都開発局)が低所得者の人(=キリスト教徒の人が多い)を雇って掃除させている)ので、まぁ、きれいなんですが、ちょっと道ばたをみると・・・・

道端を良く見ると・・ 道端のごみがいっぱい
道端のゴミ

・・・・・こんな感じで、捨てられたゴミでいっぱいというありさまです。

さて、イスラマバードではゴミをおおまかに2種類に分別しています。

  • かわいたゴミ・・・(僕の感覚的にはビン・缶・紙類など)
  • しめったゴミ・・・・(僕の感覚的には生ゴミ・伐採した枝木など)

    これは、難しいですね。どうちがうのかわからないですもん。
    で、言えることは

  • 資源モノは、ゴミ集めを仕事にしているひと(子どもも大人もいる)が集めていってしまう。
  • または、欲しい人にあげたり、廃品回収のお店に売ったりしている。
  • 生ものは庭に穴を掘って埋めて肥料にしたりしている。
  • そのほかのごちゃごちゃ~っとしたものは、街のいたるところにある大きなゴミ箱に捨ててしまう。

    ・・・・ということです。

    ゴミ回収箱
    街中にあるゴミ回収箱。いろんなゴミで一杯。

    このゴミをあさって売れそうなものをより分けている風景を毎日見ます。
    ゴミ箱の真ん中のアルファベットは「CDA」首都開発局というセクションの略号です。

    ゴミ回収車
    あるていど(1~2週間)たつとCDA(首都開発局)のゴミ回収車がやってきて、ゴミ箱にたまったゴミを回収していきます。そのあと、埋め立て地に運んでいくのです。

    ゴミの埋め立てっていっても・・・・・
    ゴミ箱から回収した後は、大きな埋め立て地へ運ばれます。で、ある程度天日で乾燥させたら、火をつけて野焼きにしてしまいます。これでゴミ処理はおしまい。
    ゴミや環境問題に取り組むNGOや政府機関もあり活動を続けていますが、自分の利害に直結しないとゴミ問題に関心が向きにくいというところがあります。
    本では学校焼却炉の使用禁止などで注目を集めているダイオキシンについては、まだまだパキスタンの一般家庭では意識されていないですし、埋め立て地もシートで覆うとかもしていないので、大気汚染や土壌汚染・水質汚染の問題は今後、より注意を払わなければならなくなってくると思われます。


    初版 2003年  最終更新日 2010年02月08日

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